Gypsy Number

流漂人

まばたく間にも 時は過ぎて

振り向く幼な児 母の胸に

嘆きの砂の道立ち止まって

私は遥かな地平を見る

夢を急ぐ哀しい人

確かな願いがそこにあるなら

幾千年流されて

ひとりで見上げる太陽

愛した人眠る空

どこまで行くのか 傷んだ足で

 

帰る島失くして 飛べない鳥

重ねた翼をとじたままで

たたずむ石の壁 風に揺れる

私に似ていた名もない花

人の群れに 残されても

静かな瞼の砂を落として

赤い月に照らされた

川面に遊ぶ子供達

祈りの声消すように

見知らぬ明日をつかもうとして

 

夢を急ぐ哀しい人

確かな願いがそこにあるなら

赤い月に照らされた

川面に遊ぶ子供達

祈りの声消すように

見知らぬ明日をつかもうとして

幾千年流されて

ひとりで見上げる太陽

愛した人眠る空

どこまで行くのか傷んだ足で

Gypsy Ann

見上げたら 円い円い

月の灯りがドレスのように

碧い静けさを 纏ってるの

水面だけに踊るように揺れて

私が生まれた日の星を

西の空に連れていったまま

ギターつまびく 指にかざして

歌うの 砂を踏んで

 

一夜の宵祭り 希いを秘したら

そう みつめて私だけに

喝采を

 

おかあさん さびしいの

川を渡り荒れ野をぬけて

朝の光に目を閉じてたの

太陽が怖いから

 

流れ流れる風よ さぁ私の翼へ

Ann いつでも笑って

紅の円い月に

 

一夜の宵祭り 希いを秘したら

そう みつめて私だけに

喝采を

 

おかあさん 悲しいの

誰もいない藁敷き小屋で

膝をそろえて 星をみつめて

十字架(クロス)に話しかけた

 

いつでもAnnは ひとりぼっちで

空を見上げているの

涙がこぼれるから

はだしのGypsyなの

 

ねぇ あなたはみつけた?

あたたかな ぬくもりを

やわらかな まなざしを

強く抱きしめる手を

 

流れ流れる風よ さぁ私の翼へ

Ann いつでも笑って

紅の円い月に